ITエンジニアに必要なプロジェクトマネジメント力とは何か
ITエンジニアにとっての成果物は多くの場合、システムそのものです。
そのため、システム導入プロジェクトにせよ、開発プロジェクトにせよ、最終的なアウトプットであるシステムをどのように設計・実装するかに重点を置く人が多くなるのは必然と言えます。
しかし、お客様の真の課題を理解し、課題解決の一助となるシステムを納めるためには、システムにばかり目を向けていては成功しません。
このコラムでは、どうやったらお客様の課題解決に資するシステムを提供できるのか。
ITエンジニアに求められるプロジェクトマネジメント力という観点で解説します。
プロジェクト成否を分けるのはプロジェクトマネジメント力
早速ですが、ITシステムのプロジェクト成否を分ける要因はいったいなんでしょうか?
・システム構築に必要な技術を有していること
・導入に必要なリソースが確保できること
など、いくつかの要因があげられると思います。
上記の項目は確かにその通りなのですが、多くの一般的なプロジェクトではプロジェクトメンバーにプロジェクトマネジメント力があるか、ないかによって成否が分かれるというのが実態だと思います。
どれだけ技術力があっても、どれだけリソースを投下できても、プロジェクトマネジメント力を持った人材がマネジメントをしないプロジェクトは失敗してしまいます。
なぜ、プロジェクトマネジメント力が重要なのか、そしてプロジェクトマネジメント力の正体とは一体何でしょうか。
プロジェクトマネジメント力への投資は技術への投資に匹敵する
プロジェクトマネジメント力とは一般に、プロジェクトを遂行するために求められる、目標設定、利害調整、リーダーシップ、意思決定力など一連のスキルの総称を指します。
これらのスキルを有した人材がマネジメントしないプロジェクトは、管理者のいない建築現場で出来上がる建造物のように、全体の整合性がなく、最終的には使用に耐えないシステム(建造物)が出来上がってしまいます。
全体を統括するプロジェクトマネージャーは、システムの最終的な出来上がりに多大な影響を与えます。
そのため、プロジェクトマネージャーのプロジェクトマネジメント力を高めることは、技術に対する投資と同等かそれ以上に重要になってきます。
知識の習得≠プロジェクトマネジメント力向上
それでは、プロジェクトマネジメント力はどのように高めていけば良いのでしょうか。
プロジェクトマネジメント力の向上で真っ先に思い浮かび、多くのIT企業で取り組んでいるのが”PMBOK”に代表されるプロジェクトマネジメント方法の習得です。
PMBOK(Project Management Body of Knowledge)とはアメリカの非営利団体が1980年代に発表したガイドブックで、数年に一度改訂を繰り返しています。
PMBOKの中には、スコープ管理、リスク管理、要員管理、コミュニケーション管理、調達管理など、プロジェクトにおいて管理すべき項目が体系立てて整理されています。
プロジェクトに係る人は一度は目にしたことがあると思います。
それでは、このようなプロジェクトマネジメント方法を学べば、プロジェクトマネジメント力を高められるのでしょうか?
残念ながら答えは「否」です。
なぜなら、冒頭で記載したように、プロジェクトマネジメント力とは目標設定、利害調整、リーダーシップなどの様々なスキルの総称です。
従って、プロジェクトマネジメントの手法を学んだだけでは、このようなスキルがなければ知識を有効に活用することはできません。
図解するとこのような関係性になります。
ソフトスキル向上がプロジェクト成功のための重要ファクター
プロジェクトマネジメント力があがらず、炎上するプロジェクトが度々発生してしまう。プロジェクトマネジメントができる人材が複数のプロジェクトを掛け持ちしていて、稼働が偏ってしまっている。
このようなお悩みを相談頂くケースが多いのですが、これらの課題を解決するためには、プロジェクトマネジメントの手法を学ぶだけでは不十分という点はご理解頂けたと思います。
まさにプロジェクトマネジメント力というのはソフトスキルの結集です。
特にITエンジニアは新しい技術などハードスキルの習得が奨励されやすい職種ですが、一見関係なさそうに見えるソフトスキルを高めることが、プロジェクトを成功させるために最も重要と言えます。
EdWorksでは、プロジェクトマネジメントにおいて求められるソフトスキルの強化をご支援しております。
プロジェクトマネジメント力の高いプロジェクトマネージャーを育てたいとお考えの方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。
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