【調査レポート】管理職の65%が部下の育成に関して会社からの支援が足りていないと感じている
2024年8月に304名の企業の管理職(課長・部長クラス)に対し、部下育成の課題と会社からの支援について調査しました。その結果、部下の育成に関して悩みを抱えている管理職は60%、さらに会社からの支援が不十分と感じている管理職は65%に及んでいることが明らかになりました。
調査結果の概要
- 65%の管理職が部下育成に関して会社からの支援が足りていないと感じている
- 会社から支援を受けられていても5割以上は悩みを抱えている
- 増加した悩みは「年齢差のコミュニケーションギャップ」
- 会社から受けたい支援は、育成方法の研修62%
- 部下育成のために伸ばしたいスキルトップ3は「コミュニケーション力」「コーチング」「セルフマネジメント」
関連するお役立ち情報
1. 65%の管理職が部下育成に関して会社からの支援が足りていないと感じている
部下の育成に関して会社から支援を受けられていると感じるか
企業においてダイバーシティ、リモートワークなど働き方の多様化を推進している中、管理職自体はプレイングマネージャー化が進み、プレイヤー業務をこなす傍ら、ますます難易度が増している管理職の本来業務も行わなければなりません。そのような管理職業務の中でも特に難易度が増している「部下の育成」に絞った実態調査を2023年に続き、今年も実施しました。
「部下の育成に関して会社から支援を受けられているか」という質問に対して、「全く受けられていない」が26%、「あまり受けられていない」が39%と、実に65%の管理職が部下の育成で会社からの支援が足りていないと感じていることが分かりました。
部下の人数と会社からの支援の関係
また、部下の人数別で比較をすると、部下の人数が4名以下の管理職の7割以上が支援が不足していると感じており、部下の人数が少ない管理職ほど支援を必要としているという結果となりました。
2. 会社から支援を受けられていても5割以上は悩みを抱えている
「部下の育成に悩みを抱えているか」尋ねたところ、60%の管理職が「非常に」または「やや抱えている」という結果となり、昨年の62%とほぼ同様の結果となりました。部下の育成に関しての会社からの支援と、悩みをどの程度抱えているのか関係性を見てみました。すると、会社から支援を受けられていると感じていても、55%の人は悩みを抱えていることがわかりました。部下の育成に関しては、外からの支援だけでは解決されない悩みもあると言えそうです。
会社からの支援と部下育成の悩みの関係
3.増加した悩みは「年齢差のコミュニケーションギャップ」
悩みを抱えている人の具体的な悩み(複数選択)
部下の育成に関して悩みをやや抱えている、または非常に抱えている、と回答した人の具体的な悩みを見ると、上位3つの悩みは変わらず、今年も1位は「部下に成長意欲がない」となりました。
一方、昨年は6位だった「年齢差のコミュニケーションギャップがある」が今年は40%と割合、順位ともに上昇しています。
4.会社から受けたい支援は、育成方法の研修62%
悩みを抱えている人が受けたい会社からの支援(複数選択)
部下育成に関して「会社から受けたい支援」を聞いたところ、育成方法に関する研修・トレーニングが62%と2位以降を大きく引き離す結果となりました。
チームメンバーを育てることに主眼を置いた支援が望まれていることが窺えます。
5.部下育成のために伸ばしたいスキルトップ3は「コミュニケーション力」「コーチング」「セルフマネジメント」
部下育成のために自身が伸ばしたいスキルは何か(自由入力)
昨年は、部下に伸ばしてもらいたいスキルは何か尋ね、トップ3は「論理的思考力」「専門スキル」「説明力」でした。今年は部下を育成するために自身が伸ばしたいスキルは何かを尋ねました。
「部下育成のために伸ばしたい自身のスキル」をフリーコメントで記載頂いたところ、31%の管理職がコミュニケーションに関するスキルを伸ばしたいと回答していました。
年齢差のギャップ、リモートでの指導など、コミュニケーションに起因した部下育成の悩みがあり、それをトレーニングを受けることで解決していきたいと模索する管理職の姿が浮かび上がります。
まとめ
2023年に引き続き、2024年の調査でも管理職の6割が部下育成に悩みを抱えていることが分かり、また会社からの支援を期待している姿が判明しました。
コロナを経て入社した若手社員とのコミュニケーションがうまくいかない、リモートワークで部下とのコミュニケーションや指導がうまくできないという声も増えてきている中、本調査でも管理職の悩みが率直に表れる結果となりました。
マネジメントが難しくなる一方、管理職の支援が行き届いていない現在、企業はさらに管理職のスキル面、体制面でのケアを進める必要があると考えています。
調査概要
- サンプル数:304名
- 調査対象:会社員304名のうち、部下を持つ236名を対象として集計
- 調査期間:2024年8月15日
- 調査方法:インターネットリサーチ
※本調査では小数点第1位で四捨五入しているため、足し上げても合計数値が100%とならない場合があります