【実態調査レポート】ビジネスパーソンの“ソフトスキル”の認知率は29%
~ソフトスキルを知っている人の自己研鑽の率は約3倍~
2025年6月に401名のビジネスパーソンにソフトスキルの認知度や、AI時代におけるスキルの方向性について調査しました。
本調査では、業界や職種ごとの専門スキル(経理財務知識、プログラミング知識等)をハードスキル、それ以外の対人コミュニケーションスキルや論理的思考力、自己管理スキルなど職種を限定されない汎用的なスキルをソフトスキルと定義しています。
調査結果の概要
- 「ソフトスキル」という言葉を聞いたことがある人は29%
- 自己研鑽に取り組んでいるビジネスパーソンは36%
- 「ソフトスキル」を聞いたことがある人は、聞いたことがない人に比べて、自己研鑽をしている人が約3倍
- 昇進時に「スキルは重視されない」と考えている人が最多の41%
- 昇進で重視されると思うスキルを自己研鑽する傾向が浮き彫りに、スキルが重視されない組織では96%が自己研鑽をしていない
- AI時代にはハードスキルもソフトスキルも同程度で重要性が増していくと60%が回答
- 今後ハードスキルが重要性を増していくと考える人ほどソフトスキルを自己研鑽
関連するお役立ち情報
1. 「ソフトスキル」という言葉を聞いたことがある人は29%
これまでに「ソフトスキル」という言葉を聞いたことがある人は全体の29%でした。年代別に見ると30代が36%と最も高く、50代以上が18%と最も低い結果でした。
ソフトスキルという言葉を聞いたことはありましたか?

年代別割合

2. 自己研鑽に取り組んでいるビジネスパーソンは36%
自己研鑽ではハードスキルとソフトスキルのどちらの向上に取り組んでいるかの設問に対し、どちらかまたは両方と回答した人が36%、自己研鑽はしていないと回答した人が64%でした。自己研鑽に取り組んでいる人のうち、ソフトスキルとハードスキルのどちらも自己研鑽している人が15%と最も多く、続いてソフトスキルのみ自己研鑽している人が14%と続きました。
年代別に自己研鑽の実施状況を見ると、こちらも30代、40代が41%と最も高く、50代以上が24%と最も低い結果となりました。
自己研鑽ではどちらの向上に取り組んでいますか?

年代別割合

3.「ソフトスキル」を聞いたことがある人は、聞いたことがない人に比べて、自己研鑽をしている人が約3倍
”ソフトスキル”の認知度と自己研鑽の関係性

「ソフトスキル」の認知度と自己研鑽の関係性を分析したところ、ソフトスキルを聞いたことがあると回答した人の69%が何らかの自己研鑽をしていました。
一方で、ソフトスキルを聞いたことがないと答えた人の内、自己研鑽をしている人は22%と、約3倍も開きがあることが判明しました。
4.昇進時に重視されていると思うスキルは「スキルは重視されない」が最多の41%
どちらが昇進する際により重視されていると思いますか?

ご自身が所属する会社・組織では、ハードスキルとソフトスキルのどちらが昇進する際により重視されるか聞いたところ、どちらも重視されないが最も多く41%、次いでどちらも同程度重視されるが33%でした。
5.昇進で重視されるスキルを自己研鑽する傾向が浮き彫りに、スキルが重視されない組織では96%が自己研鑽をしていない
昇進要素と自己研鑽の関係性

昇進で重視されるスキルを自己研鑽の実施状況のデータと合わせてみると、自組織でソフトスキルが昇進で重視されると答えた人の57%がソフトスキルを自己研鑽していることが分かりました。また、昇進においてハードスキルが重視されると答えた方の52%が自身もハードスキルの自己研鑽を積んでいることが分かりました。
一方で、ハードスキルもソフトスキルも重視されないと答えた方の96%が自己研鑽を行っていないと回答していることから、自組織において昇進時に重視される要素が自己研鑽に影響していることが浮かび上がります。
6. AI時代にはハードスキルもソフトスキルも同程度で重要性が増していくと60%が回答
今後AIが業務に浸透していく中で、ビジネスパーソンにとってハードスキルとソフトスキルのどちらがより重要性を増していくかの設問に対し、60%の人がどちらも同程度増していくと回答しました。次いで、ソフトスキルが26%、ハードスキルが14%と、全体としてはどちらのスキルも重要性が増していくものの、単一回答ではソフトスキルが約2倍の結果となっています。
年代別に見ると、若年層ほどソフトスキル単体を上げる回答が増える傾向にあります。
今後どちらがより重要性を増していくと思いますか?

年代別割合

7.今後ハードスキルが重要性を増していくと考える人ほどソフトスキルを自己研鑽
今後重要性を増すスキルと自己研鑽の関係性

AI時代に重要性を増していくと考えるスキルと、自己研鑽の実施状況を分析したところ、「ハードスキル」が重要性を増していくと回答した人の42%が「ソフトスキル」を自己研鑽していることが分かりました。
今後重要性を増すスキル別に自己研鑽の実施状況全体を見ても、ハードスキルが重要性を増していくと答えた層は、ソフトスキルやどちらも同程度と答えた層に比べて、倍以上の割合の人が自己研鑽を行っている実態が浮かび上がりました。
まとめ
本調査により、ソフトスキルの認知度は29%にとどまり、多くのビジネスパーソンにはまだ十分に浸透していないことがわかりました。
一方で、ソフトスキルを知っている人ほど自己研鑽に積極的であり、知識の有無が行動に大きく影響している実態が明らかとなりました。
年代別では、20代はソフトスキル、30代・40代はハードスキルを重視する傾向があり、世代ごとのスキル意識にも違いが見られます。また、昇進時に重視されるスキルを意識して研鑽する傾向も強く、昇進評価にスキルが関与しない企業に所属する社員の96%が自己研鑽を行っていないという結果は、組織文化が個人の成長意欲に影響を与えることを示していると言えます。さらに、AIの進展に伴い、60%の回答者がソフト・ハード両面のスキルの重要性を認識しており、今後は一方に偏らないバランスの取れた能力開発が求められるでしょう。
調査概要
- サンプル数:401名(20代以下92名、30代107名、40代99名、50代以上103名)
- 調査対象:会社員・組織に所属するビジネスパーソン
- 調査期間:2025年6月27日
- 調査方法:インターネットリサーチ
※本調査では小数点第1位で四捨五入しているため、足し上げても合計数値が100%とならない場合があります