段取り・根回しとは何か? - 健全な根回しができるためのステップ

周りを見てみてこのようなことは起きていませんか?

  • 想定が甘く、スケジュール通りに仕事が進まない
  • 完璧な資料を作ったのに関係者の合意が得られない

このようなことが起きるのは、段取りや根回しが不足しているからかもしれません。

段取りや健全な根回しが行えるようになれば、関係者を巻き込んでスケジュール通りに仕事を進められるようになります。

今回は、段取り・根回しについて解説していきます。

段取り・根回しとは

段取りが重要というのは新入社員の時から聞かされる言葉なため、いまさら重要性についてお話する必要はないかもしれません。一方、根回しについてはどうでしょうか。

根回しとは政治家が行うもの、会社で根回しをするのは不健全、このように捉えている方も多いかもしれません。ですが、根回しは段取りと同じく組織内で「調整」を行うために必須のスキルです。
敢えてここでは、“健全な”根回しと呼ぶことにします。

まずそれぞれの定義について記載します。

段取り

物事を進めるための順序や手順のこと。また、その手順を定めること。

健全な根回し

物事を進める上での障壁を予め取り除くこと。

根回しはビジネスに不可欠な武器

健全な根回しはなぜ必要なのでしょうか?
それは、ビジネスは正論だけでは進まないからです。

近年グローバル化が進むビジネスにおいて、英語でのやり取りも増えてきました。そんな中、例えばある日会社で「来月から社内の公用語が英語になります」と突然発表があったらどうでしょうか。
経営の戦略上正しくても、関係者の理解が得られなければ掛け声だけで終わってしまいます。

そこまで極端な例ではないにしても、会社の戦略変更に伴って業績評価の方法が変わる、といった日常的に起こりうる変更も関係者の理解は不可欠です。

どんなに正しい戦略や正論であっても、段取りを踏んで、健全な根回しを行わない限り適切に実行されません。

そのため、段取りと根回しは正しい戦略を実行に移すための強力な武器となるのです。

根回しのステップ

それでは、段取り、根回しはどのように進めていけば良いのでしょうか。
大きくは「ゴールの設定・線表の作成」「登場人物の把握」「シナリオの作成」「実行」のフェーズに分けることができます。

ゴールの設定と線表作成

実現したい未来や、目標を設定します。
お客様から契約を頂く、進めたい施策の社内承認を得るなど、具体的な行動目標を立てます。
そのうえで、簡易的な線表を引きます。

PHASE
1

登場人物の把握

進める上で関係する登場人物を列挙します。
それぞれの登場人物の置かれた立場、考え方、性格をわかる範囲で整理します。

PHASE
2

シナリオ作成

考えうるシナリオをいくつか用意します。
そして、シナリオを進める上での障壁となる事項を取り除くためのアクションプランを作成します。

PHASE
3

実行

アクションを実行しつつ、シナリオを修正しながら進めていきます。

PHASE
4

それでは具体的に見ていきましょう。
社内で新たにチャットツールを導入するとします。全社でDXを推進しているため、チャットツールの導入は全社の方向性と合致しています。

例)ゴールの設定と線表作成

まずは、ゴールの設定からです。
7月には全社でチャットツールの利用を開始する、これがゴールです。

そのためには線表の作成が必要です。いまが4月で導入には経営会議の承認が必要とすると、下図のような線表が作成できます。(このようにゴールから逆算して線表を引くことを逆線表と言います。)

それでは、このまま進めていけば良いのかというとそうではありません。
ここまでは段取りの範囲です。

例)登場人物の把握

次に登場人物の把握をします。
経営会議には分かりやすく社長、営業部長、自身の上司である部長が参加しているとします。

それぞれの登場人物がどのような立場で、どのような考え方を持っているのか、そして経営会議でどのような反応を示すのか考えてみます。

まずは社長です。
社長は接点が薄いためあまりよく分かりませんが、若手社員の声を尊重し、社内の反対を押し切って物事を進めるのを好まない性格だとします。

次に営業部長です。
昔気質の人で、コミュニケーションは対面に限るという考え方を持っています。また、昨年導入した電子契約に関して普段から不満を漏らしています。

このような登場人物の関係性が見えてきたら、このまま経営会議に向けて進めるだけではリスクがあることが見えてきます。
では、どうするか。

例)シナリオ作成・実行

例えば、このような根回しを日程に加えます。

営業部長とは予め議論を済ませておく、社長向けには事前に若手社員の声を集めて賛成しやすくするなどです。

特に営業部長は、経営会議で突然チャットツールの導入が提案されたら、心情的に反発してしまうのも無理はありません。ですから、事前に営業部長の不満を吸い上げ、懸念点を潰しておかないと、決定の延期や最悪否決ということにもなりかねません。

根回しは相手を慮るコミュニケーション

これは不健全な根回しでしょうか?
いいえ、根回しは相手の立場や感情に配慮した、相手を慮る仕事上のコミュニケーションです。

そのためには、普段から関係者がどのような行動特性があるのかを理解しなければなりません。転職直後や異動直後に仕事がうまく進められないという場合は、人間関係の理解が不足しているからというケースも往々にしてあります。

健全な根回しをするためには、常日頃から良好な人間関係を築いておくことがとても大切です。

段取り、健全な根回しは、会議などのファシリテーションでも重要な役目を果たします。また、タスク管理や情報収集力といった基礎力も求められてきます。
弊社では、仕事を進める上で必要不可欠なスキルをカバーするプログラムを提供しています。
関係者の合意を得ながら、戦略を実行に移すことのできる人材を育てたいとお考えの方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。


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