【調査レポート】IT技術職のプロジェクト失敗経験は66%

~技術力よりも、コミュニケーション力が成否を左右する結果に~

2025年11月5日に情報通信業に従事する技術系人材1,003名にITプロジェクトに関する調査を実施しました。
ITプロジェクトでは、途中で当初の目標達成が困難な状態に陥る、業界でよく言われる「炎上」案件が発生することがあります。本調査結果の分析では、「プロジェクトの炎上」を「スケジュール」「品質」「コスト」のいずれかで問題が発生したと定義し、集計結果と考察をまとめております。


調査結果の概要

  • ITプロジェクトの炎上経験は66%
  • 炎上が発生するフェーズは開発フェーズとテストフェーズが半数
  • 炎上の原因は過半が要件定義と設計に由来
  • 炎上防止のために必要なスキルはコミュニケーション力がトップ
  • 炎上要因のフェーズが開発フェーズでも技術力起因は27%

関連するお役立ち情報


1. ITプロジェクトの炎上経験は66%

スケジュール、品質、コストで問題が発生した経験はあるか

問題発生経験

これまでのITプロジェクトにおいて、「スケジュール」「品質」「コスト」のいずれかで問題が発生した経験の有無を調査したところ、経験を有する人は全体の66%を占めました。


2. 炎上が発生するフェーズは開発フェーズとテストフェーズが半数

プロジェクトが炎上するフェーズで最も多かったのは開発フェーズで全体の50%でトップ。また、ほぼ同じ割合でテストフェーズが選択されており、プロジェクトの中盤から後工程で多く発生していることがわかります。
また、選択されたフェーズの数を見ると約5割が複数選択をしており、フェーズをまたがって表面化する実態も浮かび上がりました。

問題が発生したフェーズ(複数選択可)

問題発生フェーズ

問題発生フェーズの選択個数

問題発生フェーズの選択個数

3.炎上の原因は過半が要件定義と設計に由来

炎上が発生した要因はプロジェクトのどこのフェーズに起因したかを聞いたところ、要件定義が55%、設計フェーズが51%と前工程に起因していることが分かりました。問題発生フェーズの回答からは推察通りの結果ではありますが、要件定義などの前工程での行き違い等が原因となって、後工程の開発やテストフェーズで炎上してしまうことがデータからも裏付けられました。

問題発生の原因フェーズ(複数選択可)

問題発生の原因フェーズ

問題発生の原因フェーズの選択個数

問題発生原因フェーズの選択個数

4.炎上防止のために必要なスキルはコミュニケーション力がトップ

問題発生の防止に最も重要なスキル

問題発生防止に最も重要なスキル

そして、プロジェクトの炎上を経験した方々に、どうすれば炎上を予防できたか、エンジニア側に求められるスキルで最も大事なものを一つだけ選んで頂きました。

その結果、「技術力」はわずか13%で、「コミュニケーション力」と回答した方が38%とトップ、次いで「問題解決力」34%と技術力以外の要素がプロジェクトの炎上を防ぐためには必要という結果になりました。


5.炎上要因のフェーズが開発フェーズでも技術力起因は27%

次に「プロジェクトの炎上要因がどのフェーズで発生したか」と「炎上予防のためにエンジニアに求められるスキル」のクロス分析を行ったところ、前工程が起因で炎上しているほど「コミュニケーション力」や「問題解決力」が求められることが分かりました。一方で、開発フェーズに起因する炎上であっても、「技術力」でカバーできると考えている人はわずか27%に過ぎないことが判明しました。
また、テストやリリースフェーズなどの後工程ほど、「チームワーク」のスキルがより重要と考えられていることが分かりました。

会社からの問題発生原因フェーズと重要スキルの関係性

原因フェーズと予防スキルの関係性

まとめ

プロジェクトの成功要因は技術力ではないと言われることがありますが、今回の調査からもエンジニアには技術力以上にコミュニケーションや問題解決といったソフトスキルが求められることが分かります。
成功プロジェクトの経験を有する技術系社員も3割強存在することがわかった一方で、プロジェクトでは前工程の重要性やソフトスキルの必要性といった従来から考えられてきたことが定量的に裏付けられたと言えます。
日進月歩で技術が進化していくIT業界において、技術のキャッチアップはもとより、ソフトスキルも早い段階で向上させていくことがより良いプロジェクトを行うためには必要と言えるでしょう。


調査概要

  • サンプル数:1,003名
  • 調査対象:情報通信業に従事する技術系職種のビジネスパーソン
  • 調査期間:2025年11月5日
  • 調査方法:インターネットリサーチ

※本調査では小数点第1位で四捨五入しているため、足し上げても合計数値が100%とならない場合があります

本調査を引用する際は「株式会社EdWorks ITプロジェクトに関する実態調査2025」と明記、または本ページのURLをご記載下さい。


この調査を実施した人

株式会社EdWorks

株式会社EdWorks

株式会社EdWorks(エドワークス)は、ビジネスパーソンの能力開発を通して、個人の自己実現と企業・組織の生産性向上を実現します。

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